Alpacas Orgling / L.E.O. (Cheap Lullaby)2006/12/05

Alpacas Orgling / L.E.O.

風邪かなぁ。突然、体調最悪になってしまって。咳が止まらないもんで、きついきつい。体力消耗。ラジオの仕事とかはだましだましやってるものの、ずっと楽しみにしていた野球談義飲み会の予定もキャンセルして、今日はおうちにいます。ううう…。ガッツがヒゲそったせいじゃねぇかなぁ。誰だ、お前…って感じだもんなぁ。ハラとかいう人が、ずっと遠回しにプレッシャーかけ続けてたからなぁ。ナベツネはいいって言ってたみたいなのに。なんか、このオフは心臓によくないことが次々起こります。多村・寺原トレードとか(笑)。

昔からジャイアンツを応援してきたけれど。大洋ホエールズってチームもけっこう好きで。特にボイヤーとシピンがいたころね。30年以上前の話だな。そのシピンがジャイアンツに来るってことになったとき、ご存じの通り、それまでのトレードマークだった長髪とヒゲをばっさりやって。ライオン丸でも何でもなくなっちゃって。ジャイアンツは紳士の球団だとか言われてたし。仕方なかったのかもしれないけど。まあ、ヤンキース流ってことですか。でも、ロック・ファンとしてはちょっと複雑な気分になった。「ホワッツ・ゴーイン・オン」の歌詞を思い出したものです。

小笠原本人は、どこに移籍しようがヒゲは剃るつもりだったと発言していて。けっこう吹っ切れてるみたいだし。プロ入りしたころは、もともとこういうつるっとした顔をしていたんだし。実際、“北のサムライ”とか言われてるけど、それもここ3年ぐらいのことで。それまでは東京ドームをホームにしていたわけだし。あの、なんとかっていう監督の場当たり的な“指導”とかに惑わされず、のびのび個性を発揮してほしいです。

あー、早く2月にならないかな。キャンプインが待ち遠しい。野球のない日々はつまらない。マスターズ・リーグに行くしかないな。札幌アンビシャスの胸には、もう近未来通信の文字はないんだね(笑)。

さて、今回のピック・アルバムは、一部ですでに熱狂的な盛り上がりをみせているL.E.O.。パワー・ポップ・ファンの間で人気のボストン野郎、ブルウ・マッコーリーを中心とするプロジェクトですが。名前を見ればわかる通り、E.L.O.へのトリビュートというか、オマージュというか。ジェフ・リン愛炸裂の1枚に仕上がっている。これは楽しい。

ブルウの呼びかけに応じて参加したのは、アンディ・スターマー(ジェリーフィッシュ)、マイク・ヴァイオラ(キャンディ・ブッチャーズ)、ジェイソン・シェフ(シカゴ)、スティーヴ・ゴーマン(ブラック・クロウズ)、マット・マハフィ(セルフ)、トニー・ゴッデス(パパス・フリータス)、アイザック・ハンソン(ハンソン)、ジョン・フィールズ、ポーラ・ケリーなどなど。

隠しトラック(「ドント・ブリング・ミー・ダウン」のカヴァー)以外、すべてオリジナル曲ながら、もう、メロディ的にもアレンジ的にも、まるっきりジェフ・リン。コーラスの質感とか、見事です。もろE.L.O.なだけでなく、ジョージ・ハリスンがリード・ヴォーカルをとったトラヴェリン・ウィルベリーズ系の楽曲もあって。ナイス。国内盤も来年早々にはリリースされるとか。日本独自のボーナス曲追加予定もあるみたい。

Forever Changing: The Golden Age Of Elektra Records (1963-1973) / Various Artists (Rhino)2006/12/13

Forever Changing: The Golden Age Of Elektra Records (1963-1973)

アトランティックの創始者、アーメット・アーティガンの歩みを綴ったノンフィクション書『ミュージック・マン』の中に、印象的なシーンがある。1967年ごろ、アトランティック社でエレベーターを待ちながら、アーティガンが当時まだ若手ばりばりのエンジニア/プロデューサーだったトム・ダウドに向かって、「アトランティックも変わるね…」とつぶやくシーン。

泣けるなぁ。ご存じの通り、アトランティックは、もともとブルースやR&Bなど黒人音楽を専門とする強い個性を持ったマイナー・レーベルとしてスタートしたのだけれど。やがてより大きな企業へと成長していくため時流を意識した白人アーティストの獲得に着手。その転換期がまさに67年だったわけだ。

子会社のアトコには60年代初頭からボビー・ダーリン、ニノ・テンポ&エイプリル・スティーヴンス、ソニー&シェールといった白人アーティストも在籍していたものの、親レーベルであるアトランティックもこの時期を境に白人アーティストと次々契約を開始。ラスカルズ、バッファロー・スプリングフィールド、ヴァニラ・ファッジらを皮切りに、やがてレッド・ツェッペリン、J・ガイルズ・バンド、ローリング・ストーンズ、イエス……と。こうしたアーティストの大活躍によって、アトランティックは幅広く強大な総合メジャー・レーベルへと移行し、栄華を築くことになるわけだけれど。

まあ、どんなレーベルも、多かれ少なかれ同じような道をたどるものだ。アサイラムもそうだし、ヴァージンもそうだし、サイアーもそうだし、モータウンもそうだし、A&Mもそうだし。業績右肩上がり以外の目標がありえない“会社”という形態でレコード・レーベルが存在している限り、みんなそんなふうに、何でもありの総合レーベルを目指すしかないのだろう。

でも、音楽ファンとしては、このありがちな変化、つまんないんだよね。淋しい。総合レーベルになる直前ぐらいまで、まだ「このレーベルが出す盤なら間違いないよ」と、いわゆるレーベル買いができるころまでが“おいしい”時期で。そのあとは一気に興味がなくなるというか。どうでもよくなるというか。

エレクトラってレーベルもそんな感じ。1950年にジャック・ホルツマンが設立して。60年代にかけて、当時のモダン・フォーク・リヴァイヴァルの気運をすくい上げながら独自のレーベル・カラーを確立して。ジュディ・コリンズ、トム・パクストン、フレッド・ニール、フィル・オクスなどのレコードを世に送り出して。やがて60年代半ば以降はドアーズとかラヴのような、どこか文学的な香りもたたえたロックにも触手を伸ばして時代の空気感をキャッチ。もちろんティム・バックリーとかデイヴィッド・ブルーとかステーヴ・ヌーナンとか、設立以来のカラーを引き継ぐ個性も紹介し続けて。シンガー・ソングライターの時代がやってくると、カーリー・サイモン、ハリー・チェイピン、ブレッドなどをデビューさせて。同時にストゥージズやMC5のような、のちのパンク~グランジへと連なるデトロイト・ロックも紹介して……。

レーベル・カラーがくっきりしていたのは、結局この辺までだった。ジャック・ホルツマン自身、73年にレーベルから離脱。当時、親会社になっていたワーナーがアサイラムと合体させてエレクトラ・アサイラムへ。デイヴィッド・ゲフィンがトップに就任して。以降は総合レーベルへの道、まっしぐらだ。でもって、04年、ワーナーの経営が変わったのを機にレーベルも閉鎖、と。

そんなエレクトラがもっともエレクトラらしかった時期、63年から73年までの歩みを米ライノ・レコードが編纂したのがこのボックスセットだ。メインのCD4枚に代表的な音源を満載。エクストラCD1枚に裏面史とも言うべき、ちょっとヤバめな音源を詰め込んで。さらにCD-ROMにディスコグラフィのPDF。おまけとして、ジュディ・コリンズやラヴ、ドアーズ、ブレッドらのLPジャケットのレプリカ(ぺらぺらの1枚紙だけど)、アーティスト写真、ポストカード、ピンバッヂ、超豪華仕様のブックレット。音だけの安価な箱も出ているけれど、どうせ入手するなら、やっぱこっちのデラックス・セットのほうが楽しいかなぁ。米盤はライノ・ハンドメイドでの通販みたいだけど、ヨーロッパ盤は普通に売ってます。アマゾンで普通に買えます。ただ、ハンドメイド盤だと通し番号入りのカードみたいなのが入ってます。

本編とも言うべきCDの1枚目はジュディ・コリンズでスタート。で、4枚目は、当時、エレクトラがアメリカでの配給を手がけたクイーンで終わる。クイーンまで売るんだから、もうレーベル・カラーも何もあったもんじゃないってことっすね。あ、クイーンが悪いって言ってるわけじゃないっすよ。ジュディ・コリンズを振り出しに、ドアーズとか、ストゥージズとか、その辺まではなんとか、こじつけも含めて脈絡が感じられるけど、クイーンとなるとね。どうしたってたどり着けない、と。そういうことです。

デニス・リンドの「バーニング・ラヴ」自演ヴァージョンがCD化されたのが個人的にはうれしい。これまではカーネーションの直枝さんに焼いてもらったCD-Rで楽しんでました。今回は1曲のみだけど、ライノ・ハンドメイドあたりで復刻、どうすかね? まあ、直枝さん謹製のCD-Rがあるから、ぼくはいいんだけど(笑)。ほら、ライノならボーナス音源、いろいろ見つけてくれそうだし……。

A Little Touch Of Schmilsson In The Night / Harry Nilsson (RCA/Legacy)2006/12/29

A Little Touch Of Schmilsson In The Night / Harry Nilsson

CRT忘年会、楽しませていただきました。開演前のBGMとしてアトランティックR&Bをかけまくって、たっぷりアーメット・アーティガンを追悼させていただき、本編ではまずJBに最大限の感謝を捧げつつおにぎやかに追悼。そのあと、ジョニー・キャッシュ、細野晴臣、みのもんた、トニー・ジョー・ホワイト、ウェザー・リポート、ロイ・オービソンなど、いろいろ楽しみましたが、やはりラスト、能地が持ち出したリトル・リチャード姐さんのド迫力と、豪華アーティスト満載のわやくちゃな1988年ロックンロール名誉の殿堂パフォーマンスにかっさらわれた感じですかね。大量のCD福袋放出抽選会も盛り上がったし。また遊びましょうね(笑)。来月はジョージ・ハリスンまつりっすよ。

てことで、その後もちょこまか仕事があったとはいえ、気分的にはこの忘年会イベントで06年の仕事は終了だあ。年末年始、何をリスニング基本アイテムとして呆けようかなぁ…と思ってたんだけど。今年は、つーか、今年もこれだな。ハリー・ニルソンが73年、名匠ゴードン・ジェンキンス指揮によるゴージャスなストリングス・オーケストラをバックに、往年のスタンダード曲をシナトラ気取りで歌い綴った『ア・リトル・タッチ・オヴ・シュミルソン・イン・ザ・ナイト』。邦題『夜のシュミルソン』っすね。特にニュー・リリースってわけではないけれど、今年半ばにリマスター+エクスパンデッド盤が出たので、それでほんわか楽しみます。

1996年以降、DCC、ブッダ、欧RCA、米RCAなどから五月雨式にボートラ入りエクスパンデッド・エディションが出続けているニルソンですが。今年はたぶん2枚。5月だったか6月だったかに、72年の『サン・オヴ・シュミルソン』と、この『夜のシュミルソン』が出た。未発表曲2曲、別テイク1曲、シングル・ヴァージョン1曲を含む『サン・オヴ…』のほうがおいしい1枚ではありましたが。個人的には受験勉強をしながらえんえん聞きまくっていた(笑)『夜の…』が思い入れ盤。ぼくが、ロックンロール以前の、いわゆるポピュラー・スタンダード曲を本格的に覚え始めるきっかけとなった恩人ならぬ恩盤。

まあ、このアルバムも88年に、別テイク/別ミックス/未発表の音源を基本に、他アルバムに収録されたストリングス系楽曲を集めた『ア・タッチ・モア・シュミルソン・イン・ザ・ナイト』って続編が出て。98年に、そこから未発表ものだけを取り出して本編『夜のシュミルソン』に付け加えた『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』って盤がキャムデンから出て。今回の米RCA盤はほぼ『アズ・タイム…』と同じなのだけれど。『アズ・タイム…』のほうが若干オリジナル・アルバムの曲順をいじって構成されていたのに対し、こちらはオリジナル・アルバムの収録曲をまずずるっと入れて、その後にかつて未発表だった音源をボーナス・トラックとして付加した形。オリジナル・アルバムを聞き慣れた耳にはこっちのほうがリーズナブルかな。

ニルソンに関しては、96年、ポール・ウィリアムス監修のもとでオリジナル・アルバム何枚かがCD化再発されたとき、旧ホームページでも書かせてもらった。ここです。懐かしいレイアウトだ(笑)。92年にレコード・コレクターズ誌に寄せた原稿も載せてあります。15年くらい前の原稿なので、ずいぶんと突っ込みもあまいけれど。よかったら、そちらも参照してみてください。