Theme Time Radio Hour: Season 2 / Various Artists (Ace)2009/10/14

Theme Time Radio Hour: Season 2

ボブ・ディランのクリスマス・アルバム、輸入盤が出回りだしたようですねー。最高にごきげんなホリデイ・アルバムに仕上がってます。『シーム・タイム・レディオ・アワー』のクリスマス特集とか聞いていたので、もっとひねくれた選曲になるのかと思っていたら、かなり直球の選曲になっていてびっくり。そのあたりの真意をあれこれ探ってみたものの、ディランのことだけに、結局よくわからず。萩原祐子がずばり言うには、「子供が生まれたみたいだから、いいとこ見せたかったんじゃないの?」と。案外、これ、当たりかも。

で、まあ、今のイチオシは当然ディランのクリスマス・アルバムってことになるわけですが。これ、来月、国内盤が出る予定で。ライナー、ぼくが書かせてもらいました。またまた長文になっちゃいましたが。それも読んでいただきたいので(笑)、待てる余裕のある方はぜひ国内盤を待ってやってください。今回ディランは、たとえば彼が「激しい雨が降る」を書くきっかけになったキューバ危機のとき、別の視点から平和への願いを託して書き上げられた「ドゥー・ユー・ヒア・ホワット・アイ・ヒア」を取り上げていたり、第2次対戦中に派兵されていた兵士たちの郷愁に訴えた「アイル・ビー・ホーム・フォー・クリスマス」や「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」を取り上げていたり、長い歌詞の中で普通なら1番、2番、5番あたりを抜粋することが多い「ベツレヘムの小さな町」を、あえて1番と3番を抜粋したフランク・シナトラ・ヴァージョンでカヴァーしていたり。あちこち深読みしがいのある内容になっているので。このあたり、ぜひ対訳付きの国内盤で…みたいな(笑)。

というわけで、今日は違う盤を紹介します。最近はTwitterのおかげで、けっこう気がすんじゃってて。なかなかブログに手を付ける気にならないというか。そういう人、多そうな気がするのだけれど。間が空いちゃって、何を紹介したらいいやらわかりません。なもんで、今さらながらではありますが、輸入盤が先月半ばくらいに出回りだしたディラン絡みのコンピレーションを。

DJボブ・ディランが毎回テーマを決めて、それに沿った選曲と独特の語りで楽しませてくれた衛星ラジオ番組の公式コンピレーション第2弾です。07~08年にオンエアされたシーズン2でかかった曲の中からセレクトされた50曲。ワンダ・ジャクソン、フランキー・リー・シムズ、リトル・エスター、ジョージア・クラッカーズ、ミリアム・マケバ、モーズ・アリソン、ジョー・メイフィス、ビリー・ホリデイ、ルシンダ・ウィリアムス、エディット・ピアフ、スワンプ・ドッグ、キャプテン・ビーフハート、ニルソンなど、時代もジャンルも縦横に飛び回りつつのひねりの効いた選曲が楽しめる。1曲ごとの詳細な曲解説もうれしい。執筆者の中にはアル・クーパーの名前も…。

The Sun Came Out / 7 Worlds Collide (Columbia/Sony)2009/10/18

The Sun Came Out / 7 Worlds Collide

さあ、CRT“ライ・クーダー・ナイト”、近づいてきました。お酒飲んだり、つまみ食ったりしながら、聞いて、語る音楽としてライ・クーダーって絶好のような気がします。つーか、おっちゃんたちは70年代、よくそんなことしてました(笑)。ライ・クーダーって、たとえばカヴァー選曲のセンスとかをマニアックに突っ込めばどこまでも突っ込める人だし、ギタリストとしての腕前に特化して語っても語り尽くせないほどのテクニシャンだし、でもどこかのんびりした、親しみやすいたたずまいもあって。語りがいがあるからなぁ。

20日はみんなで、またライ・クーダーの魅力を爆音/爆画面で多角的に味わいましょう。青山さんだけでなく、CRTギター長屋仲間の中森さんももしかしたら…。左の情報欄をご参照のうえ、こぞって参加してください。待ってます!

前回の更新のとき、ボブ・ディランのクリスマス・アルバムのことにちらっと触れたら、かなり反響ありました。国内盤待ちます…っておっしゃってくださった方も多くて。ありがとうございます。ディランのクリスマス・アルバムに関して、もうひとつうれしい情報を書いておくと。クリスマス・ソングといえばコーラスがつきもので。今回も7人のシンガーがコーラス隊としてクレジットされているのだけれど。そこに、アマンダ・バレットとアビー・デウォルドという名前が入っている。この二人、ロサンゼルスを拠点に活動するキュートでノスタルジックな女性アコースティック・デュオ“ディティ・バップス”のメンバー。04年、ミッチェル・フルームのプロデュースによるデビュー・アルバムをリリースして以来、すでに3枚の素敵なフル・アルバムを発表してきているのだけれど。日本では知名度が今ひとつかも。今回のゲスト参加で、注目度が上がるといいな、なんて思ったりしております。彼女たちの音楽、Youtube にもいろいろアップされているので、興味のある方はぜひ。

これとかこれとか大好きっす。

というわけで、今回もディランのクリスマス・アルバム押しの内容ですが。ピックアップ・アルバムは別の物でいきます。ニール・フィンが呼びかけ、レディオヘッド、ウィルコ、ジョニー・マーなどが集まって、貧困の克服を目指す国際的支援団体“オックスファム”をサポートするためのチャリティ・コンサートを行ったのが2001年。ちょっと前のことかと思っていたら、もう8年前っすね。ライヴの模様はCDやDVDも話題になったけれど、そのときのプロジェクト名“7ワールズ・コライド”のもと、今度はスタジオ・アルバムが登場しました。

今回も同様にオックスファムをサポートするためのチャリティ・アルバム。前出の顔ぶれに加えてKTタンストール、ビック・ルンガ、パーカッション・アンサンブル“フロム・スクラッチ”のドン・マッグラシャンらも参加している。ソウル・コフィングのセバスチャン・スタインバーグやリサ・ジャーメイノなどは前作から引き続きの登場。世代/ジャンルを超えるスーパー・プロジェクトながら、あまり全体がでこぼこすることもなく、参加ミュージシャンそれぞれの味がいい感じに溶け合っている。お互いの持ち味をお互いに知り抜いている感触というか。

ニール・フィンがニュージーランドの人だってこともあるのか、英米の感触がクールに俯瞰した視点から混ざり合っているのも面白い。80年代っぽい、ちょっと内省的な美メロ感覚が基調になったポップ・アルバムに仕上がっているけれど、それ以前の時代のポップ・ミュージックに対する憧憬みたいなものも随所に聞き取れて、胸がきゅっと高鳴る局面多し。個人的にはウィルコ絡み、というかジェフ・トウィーディ絡みの楽曲が特にぐっときます。1枚ものと2枚組とあるみたいだけど、ぼくは2枚組のほうでたっぷり楽しみました。