Nippon Girls: Japanese Pop, Beat & Bossa Nova 1966-70 / Various Artists (Big Beat/Ace)2010/01/09

Nippon Girls: Japanese Pop, Beat & Bossa Nova 1966-70

年末年始は BlackBerry Bold のOSを、海外で公開された5.0に上げたり、メモリ消費が凄まじいのでまた4.6に戻したり、でもやっぱり新しいほうがいいなぁ…と、また5.0にしたり。音楽聞いたりテレビ見たりしながら、そんな作業にいそしんでだらだら過ごしてしまった。あんまり意義深くない休みだったけど。楽しかった。そんなもんっすね。

例年この時期、新譜の入荷も少ないので、今年もまた20~30年代の古いところからこれまであまり接していなかったものを毎日ほじくり返してました。これもまた楽し。近ごろあちこちで書かせてもらっていることだけれど、トシとってくると特に、曖昧な未来への期待感よりも、自分が知らずにやり過ごしてきてしまった過去に、あるいはまだ生まれてもいなかった時代に埋もれる“まだ見ぬ宝”みたいなものへの興味のほうがつのってきて。やめられません。

なので、このホームページで何か紹介したいなぁと思っても、なかなか(笑)。だいたい新譜が少ないしなぁ。でも、新年のご挨拶がわりにブログを更新しましょう。英Ace傘下のビッグビート・インターナショナルからのリリース。60年代ガール・グループものの鬼コレクターであり日本の昭和40年代歌謡ポップスにも精通している chachacharming.com のシーラ・バーゲル嬢が編んだ本盤。黛ジュン、中尾ミエ、大原麗子、木の実ナナ、いしだあゆみ、朱里エイコ、弘田三枝子、山本リンダ、渥美マリ、小山ルミなど、66~70年代のグルーヴィなジャパニーズ・ガール・ポップを満載。

シーラさんはぼくのラジオ番組『月刊萩原健太』にゲストで出ていただいたこともあるのだが、この種の音楽を奇異なものとして風流に楽しんでいるわけではなく、そこに潜むきわどいかっこよさを本気で味わっているようで。その目線が今回の編纂にも貫かれている。詳細なライナーノーツも面白い。日本人とはまたこだわりのポイントが違う個所もあったりして。ぼくが普段洋楽のライナーで書いているのもこの逆パターンなんだよなぁ…。こういう充実した歌謡曲コンピが海外から出てくるってのは複雑だけど。でも、新鮮。

Jガールズ、キューピッツ、響かおる、マーガレット、野平ミキなど、中古屋好きの胸をときめかせる名前もたくさん。シーラさん、中村晃子が好きだって言ってたのに、今回は入ってませんでした。『ニッポン・ガールズ~和製ポップス、ビート歌謡&ボサノバ』って邦題でPヴァインからも出ます。

Ya-Ka-May / Galactic (Anti/P-Vine)2010/01/19

Ya-Ka-May / Galactic

こういうことを妙に俯瞰した視点から語るのはどうなのかなとも思うけれど。毎年、年末年始なると訃報も増える気がする。以前、NHK-FMでオールディーズ番組をやらせていただいていたころも、年末年始に追悼特集が集中していたような記憶が…。寒いってこともあるけど。んー、寂しい季節ですね。

世代ってのも大きい。最近悲しい知らせが届けられたボビー・チャールズにせよ、浅川マキさんにせよ、小林繁投手にせよ、その訃報に接して自分の人生の歩みと重ね合わせながら複雑な思いをしみじみかみしめたのは、たぶんほとんどが40歳代半ばから上の世代だろうし。そのくらいの世代になると、どうしたって自然と自分に影響を与えてくれた先達の訃報に接することが多くなるものだし…。

ぼくなんかもう53歳だから。これから、ますます悲しい知らせが増えるんだろうなぁ。Twitterでも書かせてもらったことだけれど。自分がいきいきと属していた世紀の文化がとうとう本格的に終わりを告げようとしているんだな、みたいな。そんな気分になってます。

それだけに、たとえば以前ここでも取り上げたダイアン・バーチとか、ノージが先日ブログで紹介していたフィンドレイ・ブラウンとか、われわれの世代がかつてぞっこんだった音楽性なり文化なりを、世紀を超えて受け継ぎながら自分なりの新しい音楽をのびのび構築している若いミュージシャンに出くわすと、ちょっとだけ、ささやかにうれしくなったりする。

この人たちもそう。まあ、今となってはさほど“若い”ってわけでもないけれど。ギャラクティック。90年代から、古きよきニューオリンズR&Bの豊潤なグルーヴを新世代なりの感覚で再構築して聞かせてくれていたジャム・ファンク・バンドで。頼もしい連中だなぁと、ぼくも新作が出るたび楽しみにしてきたものだけれど。特に今回、来日に向けて日本先行発売された新作はぼくのようなおっさん音楽ファンのツボにびたっとハマるごきげんな一発となった。

前作ではぐっとヒップホップに接近して、強靱なビート感覚をいっそう研ぎすましてみせたギャラクティックだけれど。ほぼ2年半ぶりのリリースとなる今作では、前作の感触はそのまま、アラン・トゥーサン、アーマ・トーマス、ワイルド・マグノリアスのビッグ・チーフことボー・ドリス、ウォルター“ウルフマン”ワシントンら地元ニューオリンズの偉大な先輩たちをゲストに迎え、温故知新ムード満点の最新型ニューオリンズ・ファンクをぶちかましてみせる。もちろん、先輩ばかりでなくニューオリンズ新世代組もそれなりにゲスト参加。燃えます。おっさんなりに、ですが…(笑)。