今さらですが(笑)、ブログ完全移転のお知らせです。2011/12/26

仮に移転します、と書いてから1年半ほったらかしてましたが。ブログ、 http://nothingbutpop.wordpress.com/ に完全移転します。ここのコンテンツはとりあえず残したままにしますが、新規のアーティクルはすべて新urlのほうに掲載します。 こちらのページをブックマークしてくださっている方、できれば http://nothingbutpop.wordpress.com/ のほうにブックマークを修正していただけるとありがたいです。たぶんしばらくはこちらもこのまま残しておくつもりですが、いつ気が変わるか自分でもわからないもので…(笑)。 また新urlのほうでご愛顧よろしくお願いします。

プログ移転(仮?)2010/06/13

気分転換に WordPress へブログを移転してみました。まだ仮営業。今後どうするかわかりませんが、とりあえずしばらく http://nothingbutpop.wordpress.com/ で更新しながら様子を見ようかな、と。よろしければチェックしてやってください。

Tennent - Morrison / Tennent - Morrison (Polydor/VIVID SOUND)2010/04/16

Tennent - Morrison

教則ビデオ。楽器の弾き方を映像で指導するアレ。あれが好きでねー。家庭にビデオデッキが普及し始めてからはほとんどビデオになったけれど、昔はソノシートとかレコードとかカセットとかで教えてくれたものです。ご存じ、Grecoが制作した成毛滋のロック・ギター・メソッド(だっけ?)とか。ベンチャーズの『プレイ・ギター・ウィズ・ザ・ベンチャーズ』とか。

昔、Tokaiのテレキャスター・モデルにストリング・ベンダーを組み込んだ“クラレンス・ホワイト・モデル”ってやつが出たことがあって。バーズ・ファンだったぼくとしては当然これを買ったわけですが。そのときも教則レコードが付いてきた。でも、教則ブックレットとかは一切なし。ペラ1枚の説明書もなし。あるのはレコードのみ。なもんだから、とにかくレコード盤だけで全部説明しなきゃならないもんだから、楽器を弾きながら、口頭で、「まず3弦12フレットを薬指で押さえて、2弦10フレットと1弦10フレットを人差し指で押さえて、3弦、2弦、1弦とピッキングしたあとベンダーを…」とか(笑)。しかも、全部英語だし。ややこしいったらなかったなぁ。めんどくさくなって、結局、独学でベンダーの使い方を覚えたものです。

その後、映像で教えてくれる時代がやってきたのだけれど。そうなると、けっこう著名な奏者が自ら教える教則ビデオがたくさん出るようになって。レコードにはなっていないごきげんな演奏を披露したりしていて。楽器の勉強のためというより、貴重なパフォーマンスを楽しむためのアイテムとして、あれこれコレクトしたものです。ドナルド・フェイゲンのクレイジーなコード・プログレッション感覚に頭がくらくらする教則ビデオとか、ダニー・ガットンの誰にも真似できないウルテクが炸裂するおかげで教えてもらっても結局真似できない教則ビデオとか、指がむちゃくちゃ長くて普通だったら絶対に届かないようなフレットまで軽く押さえちゃうエイモス・ギャレットの教則ビデオとか…。こうなってくると、もう学ぶためのビデオじゃなく、鑑賞するためのビデオだ。

と、そんな教則ビデオ。毎月やってるCRTで一度はテーマに据えたいと思っていたのだけれど。ついに今度の日曜日、4月18日、教則ビデオ・ナイトが実現します。詳しくは左の情報欄を参照してください。うれしいなぁ。楽器をやらない人はあまり興味のないテーマかもしれないけれど、さっきも書いたように、見たり聞いたりするだけでごきげんなビデオも多いので、そこに記録された未レコード化のパフォーマンスを楽しむだけでも楽しいはず。お時間ある方はぜひ参加してみてください。高田漣くんに教えてもらったラリー・グラハムの教則ビデオとか、もうとてつもないです。パフォーマンスがかっこいいことはもちろんだけど、しゃべりもごきげん。ベースを教えるってより、人生を語りあげてる感じ(笑)。爆笑必至。

リヴィングストン・テイラー、ポール・マッカートニー、ロジャー・マッギン、ジェームス・バートン、ブライアン・セッツァー、リック・ダンコ、ジョン・セバスチャン、B.B.キング、青山陽一などなど、まあ、ぼくがギター好きなもんだから、集めているものがどうしてもギター寄りになってしまうのだけど、あれこれ取りそろえてます。どこまで紹介できるかわからないけれど、みんなで感心したり爆笑したりしながら学びましょう(笑)。

あ、それから、いまだボブ・ディラン来日の熱が冷めないぼくは、今度出る『現代思想』のボブ・ディラン別冊でディスコグラフィを担当させてもらいました。といっても、普通のディスコグラフィって感じじゃなく、もう巻物みたいな原稿(笑)。400字詰めの原稿用紙にして130枚とか140枚とか、そんくらいのボリュームです。半分以上を60年代の作品に割いちゃったという、なんともバランスの悪い原稿ですが。そこんとこはひとつお許しいただいて。よろしければ読んでみてください。

さて、もろもろの業務連絡を終えたところで、今回のピック・アルバム。これはびっくりした。英国発ながらまるでウッドストックで録音されたような手触りが70年代初頭、輸入盤マニアの間で静かな評判を呼んでいたシンガー・ソングライター・デュオ、テネント-モリソンの72年盤『テネント-モリソン』の世界初CD化です。スロー系の曲ではさすがイギリス人らしい、魅力的な陰のようなものも感じられて。しみます。「グッド・フォー・ユー」の柔軟なグルーヴ、好きだったなぁ。ジミー・マカロックをはじめ、バックの面々も興味深い顔ぶれ。実質的には彼らのセカンド・アルバムといった風情の、ジョー・ソープ名義のアルバムも同時に出ます。

The Open Road / John Hiatt (New West Records)2010/03/10

The Open Road / John Hiatt

ディランさん、無事に関空に降り立ったようで。急な冷え込みはディランが連れてきたのかな。さすがミスター北国。これから3月末までずっと日本にいるんだよなぁ。ほぼ毎日ライヴがあるとはいえ、昼はヒマなんだから。何してるんだろ。『ミヤネ屋』とか見るのかな。タコ焼き食べに行くのかな。これからディラン月間に突入して。ディランが去るのとすれ違うようにしてプロ野球も開幕。いよいよ春。忙しくなるなぁ(笑)。

で、来月はジェームス・テイラー&キャロル・キングの来日。それに先駆けてのCRT予習/復習ナイトもあります。左の告知欄をご参照のうえ、ぜひお時間ある方は参加してください。JTとCKですからね。悪いものが何ひとつない、極上の夜を爆音&爆画面で、ともに楽しみましょう。

ディランとJT/CKに挟まれちゃって地味な扱いになってはいるものの。ジョー・ヘンリーの来日も楽しみ。情報ページ http://www.plankton.co.jp/joe/index.html をチェックして、こちらにも熱い視線を、ぜひ。野音では、ジェシ・ハリスとかおおはた君とか、実に興味深い顔ぶれとの共演で。しかも、ジョー・ヘンリーさん、たっぷりやってくれるらしいとの情報も。楽しみっ。

さて。で、今回のピック・アルバムですが。ジョン・ハイアットの新作、いきましょう。さすがにハイアットもトシとった。歌声はかつての『ブリング・ザ・ファミリー』や『スロウ・ターニング』のころのような鉄壁のものではないけれど。でも、しゃがれ度を増した歌声が楽曲に深みを加えてます。バックを固めるツアー・バンドの面々も同じ感触。行きすぎることもなく、抑えすぎることもなく。的確なテンポとフレージングで極上のルーツ・ロックンロール・サウンドを提供していて。泣ける。

08年の『セイム・オールド・マン』同様、ハイアットのホーム・スタジオで、彼のエンジニアリングによってレコーディング。まだ歌詞のことはよくわかってないのだけれど、母親のモルヒネまで盗んでしまうひっでー男の歌とかあったりして。今回も独特の視点からやさぐれた男たちの姿が描かれている感じ。ジョニー・キャッシュも顔負け。なんとも抗いようのない、おっさんならではの説得力というか。近年のディラン同様だなぁ。枯れるでもなく、若ぶるでもなく。年輪を重ねた者にしかパフォームできないロックを現在進行形で聞かせてくれている。うれしくなる。

I'm New Here / Gil Scott-Heron (XL Recordings)2010/02/19

I'm New Here / Gil Scott-Heron

ボブ・ディランの来日まで、ほぼひと月って感じ。やー、楽しみだなぁ。全公演ってのは経済的にも時間的にもキツいので、ぼくは3回ほどに仕分けて見に行く予定ですが。

どんなことになるのかなぁ。大筋では近年のネヴァー・エンディング・ツアーの感触のままだろうけど。でも、去年の春にロンドンで見たときの感じと、ブートで聞いた去年11月のニューヨーク公演の感じと、ほぼ半年しか違っていないのに、特にバンドのアプローチというかグルーヴというか、そういうもののムードが変わっていたりするし。その後、ふた月ほど間を置いてのライヴだけに、何かが変わっているかも。

先日のホワイトハウスでの「時代は変わる」とか、けっこうちゃんとメロディを昔のまま歌っていたりして。去年出たクリスマス・アルバムでも、おなじみのクリスマス・ソングのメロディをちゃんと歌っていたし。メロディをちゃんと歌うことが近ごろのディランさんのトレンドになっていたりしたら面白いことになりそう。まあ、そんなことはないとは思うけど…(笑)。

オープニング曲、何だろうなぁ。3パターンくらいで毎日変えてくるのがディラン流。普通に「マギーズ・ファーム」とか「ウォッチング・ザ・リヴァー・フロウ」とかで来るのか。それとも意表をついてくるのか。「オン・ア・ナイト・ライク・ジス」とかでスタートしたら腰抜かしちゃいそうだけど。うーむ…。

と、まあ、こんなことを考えているときがいちばん楽しいわけで。もしかすると来日直前のひと月くらいがもっともわくわくできる日々なのかも。満喫しましょう。満喫の一環として、左の情報欄でも告知している2月23日のCRTも、ぜひお楽しみに。小倉エージ先輩を迎えての来日直前ディランまつりです。

ぼくはもちろん読者としてエージさんのファンになって。いろいろな文章を読ませていただいてきて。いろいろな音楽を教えてもらって。はっぴいえんどのディレクターだったって事実にも胸高鳴らせたりして。その後、同業の端っこのほうに身を置くようになってからは、あれこれいろいろな局面でお世話になってきて。でも、ディランについて腰を据えてお話しする機会というのはそんなになかったから。今回のCRT、ぼくもすごく楽しみです。エージさんの1曲目予想はなんだろうなぁ。当日はアンケートで来てくださったみなさんの1曲目予想とかやっても楽しいかも。お時間ある方、ぜひ参加してください。電話予約、おすすめです。

で、今回のピック・アルバムですが。ギル・スコット・ヘロン。この人の知名度に関する話を先日、北中正和さんとしたんだけど。北中さんが「大江健三郎みたいな感じじゃないですか」っておっしゃったのが、けっこうツボでした。五木寛之とかなら名前も知ってるし、1冊くらいは誰でも読んだことがありそうだけど、大江健三郎になると名前は知っていても実は1冊も読んだことがない、みたいな…(笑)。

ただ、ノージに聞いたら、かつての渋谷系さんたちの間では、田島くんあたりが絶賛していたこともあって、一瞬、かなりの知名度を誇ったこともあったらしい。もちろんサンプリングねたとしても鉄板ではある。そういえばジャミロクワイとかポール・ウェラーとかもけっこう真似していた覚えが…。

そんなふうに知名度があるんだかないんだかわからないギル・スコット・ヘロン。それだけに、どのくらいの方が驚いてくれるかどうかわからないけど。なんと16年ぶりの新作アルバムが登場した。70年にデビュー。黒人解放を核に据えた激しいメッセージをファンキー&メロウなサウンドに乗せて放ち続けた重要なシンガー・ソングライター。ぼくも大学時代とか、よく聞きました。ヒューバート・ロウズと組んだ『フリー・ウィル』とか、ブライアン・ジャクソンと組んだ『ウィンター・イン・アメリカ』や『フロム・サウス・アフリカ・トゥ・サウス・キャロライナ』とか、70年代に彼が残した作品群は今でもときどき聞きたくなる。

この人が歌詞に託していた公民権やアンチ・ドラッグ、反核、社会的マイノリティなどをめぐるアジテーション系のメッセージが、世紀を超えた今のアメリカでどんなふうに響くのか、興味深いところだけど。そんな聞き手の後ろ向きな思いなど、還暦を超えたスコット・ヘロンさんにとってはどうでもよさそう。今回の新作は、これまでのどのスコット・ヘロン作品とも違う手触りに仕上がっている。びっくりだ。しいて言えば、最初期の朗読メインのアルバムに近いかな。ほんの30分ほどのアルバムながら、ドスのきいたポエトリー・リーディングもふんだんに交え、ヒップホップ的なサンプリングやエフェクトも駆使して、ぐりぐりグルーヴしてみせる。自作ものはもちろん、ロバート・ジョンソンの「ミー・アンド・マイ・デヴィル」のカヴァーとか、やばいです。

実は詩の内容とか、まだ全然把握できてないので、とりあえず今は、胸ぐらつかまれて、すっごい力で壁にどしんっ!と押しつけられた状態。何が何だかわからないまま、これからスコット・ヘロンさんに何を言われるのか、ツバを飲み込みつつ目を泳がせてる、みたいな。そんな情けない感じです。聞き込んでみようっと。こわいけど。

国内盤はボーナス2曲追加。ぼくは入手できてませんが。アメリカでは300枚限定で7曲のボーナス・トラック入りの盤も出ているのだとか。